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タウンミーティング概況

2016.11.22

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”良薬は口に苦し” 

 今回のタウンミーティング(20日)は、約15名ほどの市民の皆さまのご参加のもと、市長からの市政報告、市民の皆さまとの意見交換がなされました。会場の方全員が市長の報告をどう感じられたかは諮ることはできませんが、意見交換では生活関連のこと、駅舎整備等市政運営に対しても厳しいご意見が出されました。私は、市民の皆さまが市政に対してどのようなご意見をお持ちなのかを知る貴重な機会にはできるだけ出席するようにしています。この日も参加いたしました。いくつか私の印象に残ったことについてご報告いたします。

 生活関連では、建築確認の関すること、地域の水害防除対策や堤防、河川内の除草などについてご発言がありました。建築確認とは、開発行為などに関して市が行う許認可のことです。ご近所に思いもしなかった施設が建設されることになり、施設が建つのは致し方ないとは思っているが、事業者からの説明は不十分、しかも許可があれば文句は言わせない的な上から見た説明が1回あったきりということ。感情論として、市にも苦しんでいる市民の立場に寄り添ってほしいとのご要望でありました。

 住環境が突然変わってしまうことに対して、市民や住民には何ができるのか。これはなかなか難しい問題です。市の回答のように、法治国家の日本では、法令で求められた基準をクリアした事案については許可をせざるを得ないのは事実であり、担当部長からも開口一番、そのことが告げられました。筋論としては当然のことなのですが、んー、住民に寄り添う一言があってもよかったかも…。ご発言者も「感情論として」とおっしゃっていたのですから…。 
 結果として、市により事業者に住民説明を十分行うよう要請することが約束されてよかったと思いますが、建築確認ほか、市の許認可に携わる職員には、法律論ではなく、できる限り住民に寄り添った行政、まさしく「住民目線」の指導や要請を是非、心がけてほしいと思いますね。 
 ちなみに、最近、私が住む香日向地区においても近隣農地への盛土が行われている関係でダンプカーが住宅地(1丁目)を往復しています。これについては近隣住民には突然始まった工事であり、自治会経由で工事概要のお知らせが遅ればせながら回覧されたということがありました。

 このほか、倉松川の河川敷や河道近くの草刈りや治水に関連することを県と協議してほしいなどのご意見があり、それぞれ回答がなされました。

 駅舎関連では、約1万人の署名の願意である「おカネをかけない事業=経費圧縮」を要望するご意見がありました。この署名に関して市長はこれまでも「真摯に受け止める」とし、当日も同様の回答がなされましたが、「もう少し前向きに捉えたらどうだ」というのがご発言の主旨かと感じました。
 税金の使い方に関する主権者の声です。首長として真摯に受け止めた後、”どうするのか”が問われています。私は、予算で示すべきだろうと思います。現在、議会が議決しているのは事業費の上限としての債務負担額の28億4500万円です。年度協定は毎年行われるわけですから、その中で事業費圧縮の余地は残されています。国費が予定の半分しか出ない事実をこそ”真摯”に受けとめるべきであって、この”事業費圧縮”は、市長に課せられた使命であると受け止めていただきたい。
 また、私たち議員も、28億4500万円は上限であり、今後も事業費の動向を認識していかなければとのご示唆をいただいた思いです。

 そして、最後に市長の説明(市の運営)に関して、「プライオリティーの考え方がないのか」との厳しいご意見が。「あなたたちは現場の人でしょ。市の課題を全部知っているはず。国や県からの指示なくては動かないではない。現場のあなたたちが動いて良くするべきだ」との発言要旨でありました。時流を捕まえろ、ということです。人口ビジョンはどう反映されているのか。国が地方創生を推し進めるのは地方に「自立しろ」と言っているのであって、今行政がやらなければならないことは財政力指数を1.0に挙げることではないのか、と。
 まったく同感です。私も前回の先進チラシで、財政力指数と人口に関する年次別推移をまとめてご提示したところです(もし、チラシがほしいという方がありましたらお知らせくださいませ)。財政健全化指標には公債費率や将来負担率などの指標がありますが、私が一番大事だと思っているのは、財政力指数です。定住化、地域経済などなどの政策の成果のすべてが総合的に反映されるのがこの指数であると思うからです。財政力指数とは指標が高い(1.0)ほど自主財源の割合が高いとされます。自主財源があってこそ「自立」なのです。
 もちろん、日本中の自治体が財政力指数を1.0にできる材料を持っているわけではありません。しかし、幸手市は、他の都道府県、市町村がうらやむ東京から50キロ圏と言う恵まれた地域にあって、埼玉県下で下位を争う市であることを自覚しなければなりません。なんとか対策を立てていくのが幸手市の市長、行政、もしくは職員の役割、役目です。
 その中で、いかに住みやすいまちを作って行くのか。依存財源を分配するだけでは次の世代になんのタネも残すことはできません。

 タウンミーティングには市長、副市長、各部長と数名の職員も会場の参加者として出席しておりましたが、このご発言はどのように受け止められたのか。このような”耳に痛い”ご意見がいただけるうちが「花」です。このようなご意見は行政に対する「叱咤激励」=愛のムチと考えるべきです。決してクレームではないことを職員の方たちには認識してほしいですし、反対に奮起してほしいと期待する次第です。

「良薬は口に苦し」です。