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方向修正の必要ありか

2016.11.25

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議員政治倫理条例違反 ”謝罪@議員全員協議会”で幕引き…?

 9月議会後の議会活動報告書(会派先進)でお知らせしておりました、決算後に発覚した議員の倫理条例違反(議員経営の企業による、市の補助金交付団体への請負禁止に抵触)。先進は、『幸手市議会議員政治倫理条例』に則り、議長に審査の請求をすべく準備をしていましたが、先日22日の議員全員協議会で当該議員により、突然の謝罪がなされるという驚きの展開がありました。日にちが開いてしまいましたが、概要をお知らせします。

 議員全員協議会とは、市民の傍聴も許されず、議事録も残らない場です。「議会は、会派代表者会議及び議員全員協議会以外の会議等を原則公開するものとする」(幸手市議会基本条例第9条)と条例にも定められています。今回のような倫理条例違反は全員協議会で扱うべき題材なのか。
 不都合な事実を全員協議会で収める議長の意図がよく分かりませんが、倫理条例に抵触している事実さえも市民の目の届かないところで、しかも、まだ審査請求もなされておらず、疑念の全容が表面化しないという、幕が開く前に幕引きが試みられたというべき事態は、市民の皆さまには「不透明」「もみ消し」と捉えられても致し方ない状況であり、議会の自浄力が問われます。

 事実が表面化する前に謝罪をされた当該議員にも反省の念があってのこととは思いますし、私も当該議員を糾弾するものではありません。倫理条例には罰則規定はなく、当該議員の判断で反省の意を表すことになるのです。
 しかし、幸手市議会は『幸手市議会基本条例』の同じく第9条において、「議会は、その透明性を高めるとともに市民に対する説明責任を果たすため、議会活動に関する情報を積極的に市民に対し提供するものとする」とも定めているのです。議会としてどうこの問題を扱うかは、この条例が指し示しています。また、当該議員におかれては、謝るべき対象は議員ではなく市民では。

 今回のような議会運営が許されるなら、議会の透明性など担保できないということに。自分たちで定めた条例の趣意をも簡単に逸脱する悪しき前例を残すことになるでしょう。『幸手市議会議員政治倫理条例』違反の上に、『幸手市議会基本条例』違反と違反の上塗りをするような今回の判断が誰によって提案されたのかは分かりません。会派先進は会派として、再度、議長に、適切な手続きが取られるよう申し入れをする予定です。

 ちなみに、まだ、審査の遡上にも上がっていない段階ですので、謝罪をされた2名の議員の個人名は差し控えますが、1名にあっては、私も情報公開条例において違反を証する書類を確認しています。もう1名は他の議員が情報公開によって確認されました。私が確認した議員においては、全員協議会で発言を許され、「従業員が安易に領収証を切った」と弁明。しかし、これでは倫理条例が自粛を求めている請負制限違反の弁明とは言えず。従業員が領収証を切る以前の問題であることを、理解されての謝罪だったのか、真意を測りかねております。モラル問題、経緯など検証が必要です。
 いずれにせよ、謝罪があったということは違反をお認めになったということであり、議会はその事実から適正な手続きを踏むべく方向修正をする必要があると考えています。

12月議会一般質問

2016.11.19

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12月議会一般質問通告内容について

 昨日は一般質問通告の締切日でした。10時頃に議会事務局へ。受付番号5番目の手続きとなりました。9月議会では、7500余名の市民の皆さまから幸手市の財政運営に心配の声いただきました。質問の中では、皆さまの核心に迫る貴重なご意見を活かしていけるよう頑張ります。

 今回は3つの項目に絞って通告しました。課題山積の中で、持ち時間がもっとあればもっと多くの質問をしたいところですが、取り敢えず3つ。今、予算編成真っただ中の時期にあわせて、予算に関する質問1つと生活関連2つの項目です。有意義な質問ができるよう用意をしたいと思っています。

【通告内容】
 1.「平成29年度予算編成方針」と財政の見通しについて
 2.保育料基準額の見直しについて
 3・内水改善対策の推進について

 1.について。今年度は4月1日になって、3月議会で議決された(先進は反対)予算のうち、国費の見誤りが判明。5月になって「重点プロジェクト資金計画」の見直しを余儀なくされるという混乱の事態が発生いたしました。これに対して、市は「予見できなかった」と説明。さらに、主要な事業を遅らせ、事業費をカットして「財政規律を守る」という思考には大きな憤りを感じるとともに、来年度も同じ轍を踏むわけにはいかないのは当然のことです。そこで、まだ、今予算編成の真っただ中ではありますが、あえて、国・県等の動向の的確な把握と対応について質すほか、個別的経費の動向、考え方、見通しなどについて質すことにいたしました。また、市の将来への種まき=投資的意味合いを持つ「幸手版地方創生総合戦略」の戦略的予算配分の考え方などを質す予定です。

 2.は、保育料の基準額についてです。保育料は国の水準が定められていますが、多くの自治体がその基準額以下の保育料を独自に設定している現状があります。先日、市民の方に、その保育料に関して、幸手市と近隣自治体との差異をご指摘いただき調査をしてみましたところ、幸手市の保育料額には見直しの余地があると判断。「子育て応援日本一」を標榜する幸手市。現状を踏まえたうえで、今後の保育料の在り方を質問したいと持っています。

 3.では、治水対策の中でも「内水」について質します。水害(氾濫)には内水氾濫と外水氾濫があり、外水氾濫とは、川の水が堤防から溢れる、あるいはそれによって川の堤防が破堤した場合等に起きる洪水のことを言います。一方、内水氾濫とは市街地に降った雨が雨水処理能力を超えることで起きる浸水や冠水などを指します。
 幸手市では、今後10年後を目途に調整池を作る計画もありますが、しかし、年々大型化する台風や集中豪雨から市民の皆さまの多くが治水対策の強化を求めておられるのが実態です。治水対策については私もこれまでも何度も質問をしてきましたが、今回はさらに現状を深く質すとともに、「内水対策」への取り組みを加速させるための予算配分に関する考え方を確認するつもりです。

 市政の1年1年は皆さまの将来の生活を形作ります。無為に過ごしても精力的に過ごしても1年は1年。毎年の課題に果敢に取り組みながら、将来のタネを蒔くというのは並大抵のことではなく、しかし、そのようなことが当たり前のルーティンとなっているのが”頑張る自治体”なのです。
 そのことを謙虚に受け止め、私も頑張って取り組んで参りますので、皆さまにはこれからも市長や市議会を注視し、市政の動向に関心を持ち続けてくださいますようお願いいたします。いつも申し上げますが、自治の主役は市民の皆さまです。そして、私たち議員の活動は、ご信頼くださる市民の皆さまの応援やご支援が原動力です。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、12月議会の会期は、日程(案)では、11月30日から12月22日まで。一般質問は12月1、2、5日です。私は5番目なので1日目の最後か2日目の始めの登壇か。ちょっと微妙な順番ですが傍聴等よろしくお願いいたします。

行政視察@富山市&小松市

2016.11.12

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富山型デイサービスと小松市レンタサイクル事業

 9日、10日は市議会の議員全員で富山市と小松市へ行政視察に行って参りました。北陸新幹線が金沢まで開通したことで、北陸が本当に近くなりましたね。乗り換えなしという便利さからか、車内はほぼ満席です。そして、朝、9時46分発の北陸新幹線「かがやき507号」は2時間弱で富山駅に到着。
 うちは家人が過去に2年間、富山市に単身赴任をしていた時期がありました。大宮から新幹線で越後湯沢まで行き、はくたかに乗り換えていた頃とは隔世の感あり。北陸本線沿線への影響は様々あったことと思いますが、新幹線は来年春には福井・敦賀にも延伸されるということで、さらに北陸への鉄道での移動に便利さが増すようです。

 さて、幸手市議会では常任委員会の複数制を取り入れており、1人の議員が2つの常任委員会に所属しています。その関係で、行政視察は3つの常任委員会が合同で年に1回、開催させていただいております。ホテル代は議員持ちですが、交通費等については議会費から支出させていただいております。よろしくご了解のほどお願いいたします。
 視察の概要をお知らせいたします。

 今回の行政視察は、デイケアサービスの先進地である富山市と、幸手市で市内観光の手段としてこれから社会実験を実施することになっているレンタサイクル事業の先進地として石川県小松市を訪問。

 富山型デイサービスは、所管課は障害福祉課で、デイサービスの利用者を高齢者や障害者と限定するのではなく、1つの施設で赤ちゃんからお年寄りまで、障がいのあるなしに関わらず利用できる複合的サービスを提供しているのが特徴です。富山赤十字病院を退職した3人の看護師さんによって平成5年に開設されたデイケアハウスが始まりですが、当時の国の制度では高齢者=老人福祉法、身体障害者=身体障害者福祉法、知的障害者=知的障害者福祉法、障害児=児童福祉法とバラバラな法によって施設の配置・人員の基準が定められていて、このような複合的な福祉サービスには行政からの支援はなかったということ。その後、平成15年の「富山型デイサービス推進特区」の認定で、初期投資の軽減・経営の安定・スタッフの確保が容易などのメリットが受けられる支援費制度が導入され、今では富山市の登録事業所は55施設を数えるまでになったそうです。
 
 富山型デイサービスの支援(ソフト面)として、富山県厚生企画課が中心となって進める人材育成制度の効果が大きいようです。この人材育成制度の画期的なところは、職員を対象に、高齢者、障害者、児童などの分野を横断する総合的な職員研修を実施するほか、起業家を対象に、仕組みの理念や税理士による実務面での講座、ビジネスプランなどの講習が受けられる点です。人材育成制度により起業家も含めて、地域の人材が次々と育成されていくことで、仕組みの安定化が図られますね。県のリーダーシップと県・市の連携の取組が本当に素晴らしいと感じました。

 さて、もう1つの小松市のレンタサイクル事業は建設経済常任委員会の所管として、いくつか事前に出させていただいていた質問に答えるかたちで説明をご用意してくださいました。小松市は世界的企業の小松製作所の本拠地として、また、小松空港を活用して香港や台湾などとの国際交流を深める人口10万人、幸手市の10倍の面積を持つ都市です。街並みが美しく、紅葉のカエデが赤く色づく市役所も広々とした美しいたたずまいでした。

 市の所管課は『まちデザイン第1課』。聞きなれないですが、幸手市で言う所の都市計画課をそう呼んでいるそうです。名は体を表す。「いいネーミングですね~」と思わず感嘆してしまいました。担当の方からは丁寧な説明をしていただきました。もともとこの事業は駅前の放置自転車問題の解消という課題もあったようですが、現在は観光向けの貸し出しなどを含め、約70万円の年間経費で、市内の観光旅館や駅前の物産館などによって管理運営されているということでありました。
 幸手市でもこれから市内観光の手段としてサンタサイクルの社会実験を実施し、運用について検証することになっています。しかし、小松市との大きな違いは、小松市はすでに主要な幹線道路の整備が済んでいることです。この点、幸手市の場合は未だ危険な市内道路が多く、観光の皆さまにレンタサイクルを安全に使っていただけるためには、まずは道路環境の整備をどうするのか。課題と言えるかも知れません。

 以上、行政視察のご報告でした。 
 
 
 
 
 
 

都市公園等指定管理業務調査特別委員会 終了

2016.10.20

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一年間、12回の調査を終え、委員会終了

 一昨日、「第12回公園等指定管理業務調査特別委員会」が開催され、副市長の改めての謝罪と反省、監理強化を約束する発言を以って、昨年9月の平成26年度一般会計決算不認定に端を発した当委員会は終了いたしました。

 改めて、今回の問題を振り返ると、まず、応募における競争性のない入札・選考があげられると思います。指定管理業務委託は公園だけでなく他にもアスカルやコミセン・武道館、市立図書館、障がい者授産施設などでも取り入れられていますが、選考は「ポロポーザル方式(提案型)」といって、複数の応募団体のプレゼンテーションによって選考委員会(構成員:市幹部職員)が決定します。
 しかし、この事業では、応募が複数とはならず1団体のみにも関わらず選考委員会は選考を続行。応募者が広がらなかったというより応募者を狭めた要因として考えられるのは、募集要項に「幸手市に主たる事務所を置く団体」との地域要件を設定したことではないかと思われます(規模が大きい割に”うまみ”が少ないということもあるかもしれません)。
 地元企業の育成という観点も必要ですが、しかし、競争性を排除してまで付ける要件であったかどうか。さらに応募が1団体しかないというなかでの選考続行に問題はなかったのか。さらに、さまざまな書類の作成不備や管理業務が仕様書の要求水準に達しなかった理由については、私は前任者との引き継ぎが円滑ではなかったのではないかと考えています。また、市・業者ともに記録・モニタリング・報告・評価に甘さがあったことは否めないものとも感じています。

 しかし、初年度には多くの市民の方の苦情を耳にしましたが、3年目を迎え、そのような苦情も減っているようであり、市でも選考委員会構成員に外部者を加えるなど見直しを行なおうとしていること。そして、冒頭に書いた通り、副市長から改めて総括的反省と謝罪、経理の明確化やサービスの向上につながる監理監督体制の強化が約束されたことを受け、私も最後に「報告書の様式なども含め、より信頼性の高い業務遂行の指導強化」を求める発言をし、委員会の終了に同意しました。

 「公」とは市民の皆さまの税金を投入することで成り立っています。5年間で4億5000万円を超える指定管理料を支払う事業であり、改善傾向にあるとは言え、管理団体にはこれまで以上にサービスの向上に努め、効果的・効率的なサービスが提供されるよう頑張っていただきたいと思います。

 

 

9月議会中盤

2016.09.18

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9議会中盤 常任委員会の審議状況

 9月9日以降、なかなか更新ができず申し訳ございません。議会は、一般質問、議案に対する質疑、文教厚生常任委員会、総務常任委員会が終了し、20日、21日は建設経済常任委員会、そして、30日の議会最終日(採決)と続きます。

 さて、今日は13,14日に行われた文教厚生常任委員会の、主な審議についてご報告いたします。委員会審議は、質疑応答を通して市の事業の執行状況を確認・理解する重要な機会です。委員会に付託された民生費や衛生費、教育費などについて様々な視点から質疑がなされ、採決では平成26年度決算、平成28年度補正予算とも委員全員・賛成多数で可決されました。

【文教厚生常任委員会の主な審議】
1.平成27年度決算・平成28年度補正予算
①デマンド交通運行事業 委託料:8,472,650円
 昨年10月から、市の循環バスの運行と並行してデマンドタクシーを試行。特に高齢者の生活の足としての利用が期待されるデマンドタクシーですが、「便利だ」という声とともに「予約が困難」など、利便性の向上を求める市民の声が多く寄せられています。
 市によりますと、昨年度10月~3月の運行状況は、登録者数は2,715人、利用者総数 4,186人で、1便当たりの乗客数(1日9便×2台)の平均は1.6人。少し少なすぎるのではないかとの質問に、傾向として、行き場所、時間帯、曜日に偏りあり。利用が多いのは病院(通院)で、予約が取りにくい状況となる要因として、1便の予約希望先が東西南北に分かれた場合、60分の運行時間内に対応しきれず、やむを得ず後からの予約を断るケースが生じるということでありました(平成28年度は1便当たりの乗車数は2.4人に改善。利用時間帯も時間、曜日が平準化されてきたそうです)。
 今年度1年間はデータやご利用者の声などを検討し、次年度以降の運行改善につなげていくとのことでしたが、委員からは、循環バス廃止、免許返納者の増加なども鑑み、高齢者の外出支援は公共交通だけでなく、高齢者福祉との関係性も併せて、どのようなしくみが必要なのか検討をとの指摘がなされました。

②健康長寿埼玉モデル普及促進事業
 昨年度の県のモデル事業です。半年間の事業に参加された方のデータを有識者(日本保険医療大学教授)が分析。体力に大きな変化はなかったものの、血液については中性脂肪やコレステロールなどが20%改善、歩数の変化では事業参加前の歩数が増加するなどの効果が見られたということでした。
 今年度は「めざせ!毎日1日1万歩運動教室」の参加者を拡大しています。寝たきりとなる大きな原因の1つが骨折です。骨密度検査なども併せ、今後も健康づくりに市の制度をご利用ください。

③し尿処理施設基幹的施設改良工事 468,504,000円
 ごみの処理は私たちの衛生的生活に欠かせない事業です。し尿処理場は昨年度を最終年度として3年間の施設長寿命化工事が終了。定期点検や定期補修は今後も必要ですが、今後10年間の延命と二酸化炭素の排出量20%減が実現されました。この施設に限らず、ごみ処理に対する諸課題は山積で、委員からは中長期の計画の早急な検討の必要性が指摘されました。

2.国民健康保険特別会計決算・補正予算
 幸手市の国民健康保険特別会計の予算減額は約82億8300万円です。国民皆保険は私たちの暮らしに大きな安心を与えている制度ですが、昨年度は平成26年度比、加入世帯▲115世帯。被保険者数▲559人となった理由について質問あり。市からは①後期高齢者(75歳以上)にシフト ②景気動向の影響として社会保険への加入が進んだとの見解が示されました。
 また、一般被保険者本人負担を含む一人当たり診療費(入院・入院外及び歯科の合計)は280.633円(対前年度比18,658円 7.1%増)。退職被保険者では303,584円(前年度比10.734円 3.4%減)となり、これは埼玉県下で最も高い水準(高額ランキング1位)だったとのこと。特徴として、保険給付費のなかでも調剤にかかる費用が国の9.4%に対して幸手市が18%であったことがあげられました。
 さて、国民健康保険は平成30年に広域化され、各市町村に保険者としての仕事は残るものの、財政的には県が一括して管理する方向となります。それにあわせて、幸手市でも今年度より賦課方式を所得割と均等割の2つとし、さらに基金残高が多くなっていたことから、多くの方には負担軽減となる保険料改定を行いましたが、昨年度は改定前の料率のため、歳入歳出差引金額が約4億6500万円となり、そのうち、平成28年度補正予算では基金に約4億1500万円が積み立てられました。

 

 
 
 

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