2016.03.20

駅舎整備事業の進捗と公園管理
市長と議会の権能は単純化すれば、執行権と議決権です。昨今は、政策提言をする”強い”議会が求められていますが、市長が持つ行政組織と同じような組織を持たない議会が、市長に対抗する政策提言をするというのは、本当にハードルが高いことです。
議会でも、定例の委員会審議のほか、特別委員会や所管事務調査等を通じて全力で調査をし事業の全容を知る努力はしていますが、現場以上の情報、いや、現場と同等の情報を得ることは不可能に近い状況です。これは、どんな会社や組織でも同じであろうと思います。情報公開制度があっても執行者の説明不足などと合いまって、経理面で大きな社会問題となる民間のケースが多発していることからも、どんな組織でも執行権に関する情報の一角を引き出すだけでもよほどの努力や知識が必要ということではないでしょうか。
さて、そのようなことを前提に、3月議会も賛成・反対の議論がありました。その論点を整理してみたいと思います。
まず、駅舎整備事業についてです。駅舎整備事業は事業開始当時から様々な議論がなされてきました。3月議会の論点を整理しながら、少し経緯を振り返ってみますと、現在、幸手駅の整備は、平成25年3月22日付けで、市から鉄道会社に提案していた整備計画に鉄道会社の回答(同意の意向)を得たのを皮切りに、平成27年5月15日付けで締結された「東武日光線幸手駅自由通路整備工事の施行に関する基本協定書」、「東武日光線幸手駅橋上駅舎整備工事の施行に関する基本協定書」、「平成27年度協定書」に基づいて事業が進められています。ところが、この協定書どおりに事業を進めることが難しいのではないかという状況が発生。これについて議員の判断が割れました。
基本協定書では工事施行期間は平成32年3月31日までに完了。また、工事費用は自由通路が16億円、橋上駅舎が12億4500万円との設定ですが、協定書発効初年度の「平成27年度協定書」が工事が繰り延べになっています。主要因は国庫補助金の想定外の低配分による資金ショートです。
しかし、まだ今は協定書の範囲で推移していますが、さらに平成28年度当初予算で見込む国庫補助金が、昨年同様、要望額どおりの配分が期待されない場合、さらに影響が出ることが想定されます。要望通りの配分は現在では不可能ではないかとの推測です。
そして、さらに双方協議の結果として結ばれたはずの工事計画自体に変更が生じ、駅舎整備完了が1年遅れになることは、すでに報道されております。 平成27年度は西口整備の本丸である県認可事業「土地区画整理事業」が上記の煽りで工事が延期、繰り延べとなっているなど、今後も他の事業への影響の波及が否めない状況が続きそうなのです。
これまで担当課が前面に打ち出してきた国や県、鉄道会社との「協議」がどの程度に詰められたものであったのかという疑義も生まれています。このような状況をどう判断するか。これが3月議会の大きな論点の1つであったと私は考えています。公園管理に関する論点は後日まとめたいと思います。