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改悪か改善か

2017.06.03

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蓮田市で職員16人処分

 本日の埼玉新聞。入札を巡る一件です。

 記事によると、蓮田市では、発注工事の予定価格を業者に漏えいしたり贈答品を受け取ったりしたとして、市職員16人が処分を受けたという経緯があり、その問題について、蓮田市長が市議会6月定例会初日に謝罪したというのです。

 この問題は内部調査で明らかにされたもので、一人が懲戒免職、8人が停職や減給などの懲戒処分や管理責任を問われ、7人が戒告、訓告処分に。市長は、行政報告の中で内部調査の内容を説明し、市は職員倫理条例規定を制定し、研修会などを実施。入札および契約制度を見直すなど、再発防止に取り組むと話したという事です。

 多くのことが契約で成り立ち、請負がより競争性を増している中、国においても改正が繰り返される入札制度は、運用の難しさは否めません。
 蓮田市の入札制度の詳細はわかりませんが、蓮田市のHPを見る限りでは、平成22年度より入札の透明性確保のため設計額の事前公表を行ってきたが、適正な競争を阻害しているという課題等もあり、平成28年4月1日より、すべての入札・随意契約において、設計額の事後公表を行うことにしたという経緯があるようです(※幸手市では高額なもののみ事後公表)。
 また、平成19年から「蓮田市入札契約業務適正化審議会」を設置し、平成28年度は5回の会議が開かれています。この審議会は1年任期の委員が10名で構成され、委員名もHPで公開されています。審議の内容は非公開ですが、条例では、建設工事請負等の指名業者の選定に関すること、入札及び契約業務の執行に関することと定められています。

 今回、内部調査が入った経緯、発端に何があったのか。残念ながら私は情報を持ち合わせていませんので推測の域ですが、昨年から、請負業者には厳しい方向で入札制度が改正され、様々な混乱が生じたのではないかと感じます。これまでの慣習から新制度への意識改変が浸透しなかった。すなわち、全てのプレイヤーが同じ土俵にいなかったことが一番の要因ではないかと思われます。これまでもこのような習慣があったということがない限りですが。

 改革に意欲的に取り組んだ結果の一時的混乱なのか、改正内容そのものに問題や課題があったのか。見極めどころですね。蓮田市議会がどのような対応をされるのかはわかりませんが、行政の改革意欲を削ぐことなく、制度の落とし穴を徹底解明して、次の一歩を見出してほしいと思います。

 どんなことも浸透するまでには時間がかかります。良いことであれば、失敗を恐れず果敢に改革にチャレンジしていく。そんな気概(マインド)を大切にしたいですね。私は内部調査が行われ、多くの処分者を出したことを否定的に捉えるのではなく、臭いもの(問題)にふたをすることなく対処されたことを、組織の健全性と捉えたいと思いますし、あってはならないことはならないでしっかりと精査され、蓮田市の入札制度が改善につながることを期待したいです。

 通常ではなかなかチェックできないことも多々ありますが、私たち議員もチェック機関として常に注意深くいなければいけないことを改めて感じる一件です。蓮田市の件は今後どのような動きがあるのか。続報に注目していきたいと思います。