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来年度国家予算 議論一考

2017.12.24

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日本はまず、「東京一極集中」の是正が最優先

 22日に閣議決定された来年度予算案について新聞各紙が取り上げています。今日は毎日新聞の6面から。ちょっと焦りを感じながらの投稿です。

 毎日新聞の6面、ト書きにこのような記述がありました。
 「22日閣議決定した2018年度予算案に対し、市場関係者からは「生産性革命」などの成長戦略に一定の評価の声がある一方、財政健全化の取り組みには厳しい見方が目立った。目玉政策の子育て支援策についても、待機児童解消など優先度の高い政策への重点化を求める声が相次いだ」
 そして、日本総研の研究員のコメント。幼児教育の段階的無償化が盛り込まれた点について「待機児童解消の方が緊急度が高い。有識者会議で子育て支援の全体像を作り、優先順位を決めて実行すべきだ」と。

 「ちゃうやろ」と私は思うのです。問題を感じるのは待機児童解消が緊急度が高いという発想です。解消という言葉の含みは不明ですが、確かに子どもを預けられずに困っている人に対する対処は必要でしょう。しかし、考えていただきたい。待機児童問題は日本全体で起きているのか。今、待機児童で問題を抱えているのは日本のどんな地域なのか。少なくともわが幸手市では定員を巡る大きな混乱はないと聞いています。待機児童問題は都市部の問題というべきで、地方の人口減少を食い止めることなく大都市や一部都市部に集まった若い人への政策は「対処療法」ではあれ、根本的治療にあらず。反対に、その是正こそ、日本の抱える問題の最最優先=根本的対策ではないかと思うのです。

 地方6団体なども政府に陳情等行っておられますが、市町村長会などはもっと東京一極集中の是正を訴えてもいいのでは。まちの存亡がかかっているのですから。私も座していられないという気持ちが逸ります。
 海岸線が長く、国土の多くが森林や田舎という日本では、田中角栄氏のころまでいかなくても常に「国土の均衡ある発展」は重要課題です。地方の疲弊をまず是正してほしい。なぜ、東京に若者が集まるのか。私も以前から述べているように、東京の活力を奪おうというのではありませんが、地方が自立的な行政を行える最低限の是正はなされるべきです。

 このブログを見ている他の地方都市の議員の方々はどうお考えでしょう。連携して何かできることはないか。そんなことを話し合う場所ができたらいいなあという思いが湧いてきます。今回ご紹介した毎日新聞の記事、有識者の方々に地方の問題をどう理解していただけるか。問題を抱える側から問題や現状を発信していかなければ。

 まずは国会議員の先生方、そして、国政にかかわる有識者の皆さん、地方の現状を見てください。確かに、来年度から消費税の配分が地方有利に改善されるとのことですが、財源だけでできるものではありません。若者が安心して地方で暮らせる社会をいかに構築していけるか。日本海側の不審船問題然り。日本の隅々にまで人が住んでいることは国防上も大事なことです。しかも豊かに。

 せめて、東京から幸手市と同心円状にある地域の皆さん、私もまだまだ議員7年生ではひよっこで、何ができるのかもわかりませんが、しかし、なんらかの連携を模索していこうではありませんか。賛同していただける方がいらっしゃいましたら、このブログのメールにご意見をお寄せくださると幸いです。

12月議会まとめ ②

2017.12.24

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先の号の続きです

 さて、3つめは「幸手市部設置条例等の一部を改正する条例」について。職員定数の増改正と新たな部の設置が提案されました。

 まず、新たな部の設置について。目玉は来年度の組織改編で「総合政策部」を新設すること。これまで幸手市の弱点だった企画力・情報発信、意思決定の明確化を強化するのがねらいとの説明。また、以前分割したスポーツ振興課と社会教育課を元の「社会教育課」に再統合するほか、いくつか名称変更や所掌変更も。4月の市報で詳しい情報がでると思います。組織改編が狙い通りの成果を上げる”キモ”は適材人事です。看板を付け替えても組織のマインドが変わらなければ変化は起きません。来年、どのような市長人事が行われるのかも注目です。

 そして、職員定数については、定数を現在の市長部局270人→310人にし、教育委員会を含め330人→360人に改正するものです。執行部からは、定員増改正する理由として「増加傾向であった再任用職員が減少局面となり、これまで再任用職員が担っていた仕事を正規職員に戻し、平成25年当時の職員数にする」との説明が。
 ところが、総務常任委員会での審議で、実は現在、職員数は283人で、すでに職員数が条例の上限を上回っていることが判明。条例違反の状態となっていることが分かったのです。
 定員オーバーの要因を聞かれて執行部からは「新しい任用の仕方の中で、カウントの仕方を間違った。整合性を欠いていた」と謝罪あり。カウントミスは保育士等の雇用形態が臨時任用から任期付任用となったことによるとのこと。いろいろ事情はあるかもしれませんが、しかし、条例違反は間違いなく問題あり。加えて、職員の採用等を含め管理している「幸手市職員適正化計画」にも合致していない。自治体にはいくつもの計画がありますが、市の企画の総本山である政策調整課で計画軽視、条例軽視がまかり通る組織で大丈夫か。
 職員一人を雇用した場合の生涯人件費は数億円とされています。今回、40人もの定員を増やすことによる将来人件費をどう見積もっているのかを訊ねましたが、試算はないという答弁。そして、「この数字はあくまで上限」ということが強調されました。本来なら、行政改革や事務の省力化などの成果とともに語られるべき職員定数ですが、幸手市には現在、行政改革の大綱や計画はありません。私はずっと行政改革大綱の策定を求めていますが、あまり必要はないというスタンスです。
 結果、この議案には一人の議員が反対。いろいろ問題含みの現状ですが、「条例の定数はあくまで上限」と強調する執行部の人事管理は今後注視していくこととし、私は以下の指摘をして賛成することといたしました。

 「一般的に一人の職員を採用すると定年まで当該職員が勤務した際の経費総額は数億円と言われており、一人の職員を正規採用することは、その経費相当額が将来の市民の債務負担行為となるものとも考えられる。それゆえ、人件費における議会のコントロールを確保することを目的として定員が条例で定められているのである。それを考えると、まず、定員の上限がきっちりと守られることは前提。今回のような事後対応ではなく、定員管理の時宜を逸しない事務執行を要望する。併せて、再任用、臨時職員、パート職を含めて人件費。であれば、行政改革や事務執行の省力化などの議論は定員適正化や定員増減とセットで考えていくべきものであり、今後、早急に行政改革の目標を数値化・目標化し、明確な評価がなされる環境を整備されることを要望する」

 今議会に提出された職員給与の引き上げ、職員定数増で、人口減少局面の幸手市にとって義務的経費が増大することは間違いありませんが、そのような議論を抜きに、議員や市長等まで給与や報酬が自動的にあがることに市民の皆さまの納得は得られるのか。
 職員定数の上限厳守、適正人事管理、さらに行政改革や省力化などを今後も注視して参ります。