![]()
問題提起:地方の特養 東京進出
7月22日の埼玉新聞より
「地方の特養 東京進出」
急速な高齢化 事業拡大狙う 新設施設の過半数
全国各地の社会福祉法人が東京での特別養護老人ホーム(特養)運営に続々と進出している。2014,15年度に東京で開設する特養の過半数が都外の社会福祉法人。早くから高齢化が進んだ地方では今後、施設の新設がそれほど期待できないため、進出する側にとっても事業拡大の好機となるー。
■ここが気になる
~これでは人口移動 東京←地方が止まらない~
気になるのは、地方の法人が東京に進出しようとしている点です。この仕組みは東京の立場から見れば、高齢者(サービスの利用者)を東京に滞留させることで、事業所・若者(サービスを担う介助者)を東京に滞留させることができる=人口維持装置です。一方、地方から見れば、地方への人口流入の可能性をあえて閉ざすことにならないのか。まさに東京の思うツボ。それぞれの自治体や企業のお家事情は違いますから、良し悪しは別として、これでは、ますます東京への一極集中、東京の独り勝ちを許すことになるのではないかと危惧するわけですが、いかがでしょうか。
■さらに分析
~やっぱり仕掛けが…~
東京都ではもう15年も前から、独自に特養の整備費を補助する制度を実施していたそうで、今後はさらにその補助を増額、加えて優遇策や上乗せ策を実施していこうとしているとか。14年、15年度に都内で新設される特養26カ所のうち、青森や富山、鳥取、徳島など”地方出身”は14カ所に上る、というのですが。んー、どこも大都市圏から遠い自治体ですよ。
東京から40㌔圏という恵まれた立地の幸手市を地方と呼ぶのかどうかは分かりませんが、しかし、幸手市の立地から言って、企業が進出しやすい環境づくりで人口流入の勝機を呼ぶ余地はあるのでは。東京での相談会開催も有効でしょう。埼玉選出の国会議員に医療関係者が多いというのも生かしていくべきか。
■今後の展開 ~「お帰り&”Welcome"キャンペーン」~
”介護(老後)はチョイ近(チカ)地方でゆったりと”
というイメージを打ち立てていく。
東京だって都市間競争を生きている。豊かな財政を各行政分野に振り分けて戦略を練る東京に対して、地方にできることは何か。地方はどんな役割を担うべきなのか。自分たちの資源をフル活用し、地域に人を流し入れる戦略を積極的に仕掛けていくべきではないでしょうか。
特に介護の分野は、東京のような「動」の利便性よりも、地方都市の「静・日常のゆとり」の魅力(緑=公園だけではなく、生産緑地も含めた緑が豊か・空が広い・ゆったりとした空間・地域に根付いた行事やイベントの心地よさ・災害時の安心・顔の見える人間関係など)を生かせる分野ではないかと考えます。
1つの例として、例えば、幸手市は東京から40㌔圏内にあり、何かあれば圏央道インターを使って、都内大学病院や先端医療とも短時間で結べる利便性を強調すべきです。そのための地域医療(家庭医・診療所・地域中核病院・先端医療)連携を整え、そのような循環・環境を支える人を支えるための子育て支援事業、子弟への教育の充実、住宅政策、農商工事業を展開すべきでしょう。地元の人には、あるときは生産者として、あるときはおもてなし隊として、景観づくりやコミュニティ醸成に協働を呼びかけ活躍いただく。地域人材の育成も急がねばなりませんよ。このようなことが実現すれば、現住民の福祉の向上にもつながります。医療機関の多さ、日本保険医療大学、東埼玉病院、看護学校などが連携する。ボランタリーな人も多い。介護分野は、幸手市のポテンシャルが高いと思いませんか。
ビジョンの良し悪しは最大限検討を要しますが、ビジョンが決まれば、政策体系が一元化され、無駄ない財政投資ができるのではないでしょうか。
その他にも、例えば、今後、幸手市の歴史資料館の整備が行われます。一件、介護と関係なさそうな資料館の整備ですが、まちづくりのビジョンが決まることで、誰のために何をどうするという事業目的がフォーカスされ、資料館の役割が立ち上がってくると思いませんか。「地域の皆さまに」などとステレオなコンセプトではなく、事業コンセプトを追及していくためにこそ、まちのビジョンが必要なのです。
そして、例えば、香日向地区の買い物事情の悪化(スーパー撤退)なども傍観していてはいかんのです。市は幸手市のまちづくりの一環として、大きな農地を住宅地として誕生させたのではありませんか。最後までまちの、住民の生活の質・クオリティの維持向上に力を注ぐこと。これこそが「行政の継続性」でしょう。幸手市を選んだ住民ですよ。住民が困らないようにすることこそ、市長や副市長の、市行政の最大の役目ですよ。
また、散骨や樹木葬なども選択肢となってきた時代にありながらも”先祖代々の墓”は人生において以外と大きな存在です。「墓守り」のために生まれ育ったまちにUターンやIターンする人を優しく迎え入れる。そんな仕組みもここ20年くらいは必要とされるように思います。
10年20年先を見越して、しっかりとしたビジョンとコンセプトを持ってあらゆる施策が最後は1つに集約するような施策体系を構築する。コミュニティや生活基盤づくりでまちの魅力を高め、施策に応答する協働者を幸手市で育て、足りないものは市外のチカラを誘致する。
そして、何よりもその町の魅力を最大限PRする戦略を打ち出すべきと思いますが、いかがでしょうか。
♥さて、6月議会で人口減少問題の危機感を問い、9月議会ではさらに突っ込んで、幸手市の生き道を質していきたいと考えています。そのために、今後、「気になる話題」を取り上げ、まずは私の荒っぽい”持論・自論”を皆さまに問い、皆さまからご意見やご指摘をいただきながら「処方箋」に昇華させていく。そんな作業をこのブロク上でやっていけたらと思っています。このブログの管理人さんが設定してくれている双方向通信を十分活用していきたいと考えます。
もし、ご意見やご感想、ご提案などがありましたら、「メールはこちらへ」でお送りください。私の勘違いへのご指摘なども大歓迎です。その場合はできましたなら、その理由も教えていただければ有難いです。
これまでにもこのメールで様々なご意見を頂戴しております。今後ともよろしくお願いいたします。長い文章になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき有難うございました。