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公共施設は『消滅』するのか?~自治体の公共施設再編を考える~
昨日は、会派先進の同士、中村孝子議員といっしょに東京・豊田に研修に行っておりました。研修会には北は岩手から西は岡山まで、約100名の議員が参加。財政・都市計画・人口減少問題の視点から、公共施設の施設運営と財政の課題などについて学びました。
講義1 「公共施設白書から見える施設運営と財政の課題」
講師:大和田一紘(NPO法人 多摩住民自治研究所理事長)
テーマ
―現在ある公共施設をすべて更新しようとすると、財政が破たんする恐れがあり、財政を維持するために更新を先送りすると、住民の安全が脅かされる。老朽化した公共施設を廃止すると、住民が教授しているサービス水準やいまあるコミュニティ形成の低下を招いてしまう。では、どのように打開するか―
内 容
これまでも公共施設の老朽化や耐震化などへの対策はなされてきましたが、老朽化が大きくクローズアップされたのは、中央自動車道笹子トンネルの天井版崩落事故でした。地方公共事業の財源は国庫支出金(約4割)・都道府県支出金・地方債・一般財源で、ランニングコスト(メンテナンスや維持管理)は自治体の一般財源で行うのが基本とされてきました。工事の約8割は地方自治体が実施します。
地域インフラの主なものは、橋りょう・学校・上下水道施設・河川管理施設(準用河川・農道など)などです。コンクリートの寿命が約60年。2030年には築後50年を経過する施設が大量に発生します。
ところが、国交省が行った自治体アンケート調査で、社会資本について中長期的に必要となってくる維持管理費・更新費を推計していない自治体、道路管理に必要な技術職員がいない自治体が少なくないという事実が判明。そこで浮上してきたのが、公共施設の長寿命化、更新・再配置問題です。今、国の主導で各地方自治体に「公共施設白書」の作成が義務付けられ、全国の自治体が慌てて考え始めたというのが実情です。
今後の施設の整備には「情報公開と市民参加が大事。廃止や解体などが水面下で進められるのはNG。そのような手法では住民の活力まで喪失してしまう」と講師は力説。
♥構造物が、将来、無限に使い続けることができないモノであることは当たり前のこと。国が音頭を取らなければ何も始まらない。これが今の日本の政治・行政の現状であり、限界なのかも知れません。が、一歩前進したと前向きに考えていきましょう。さて、国は今後3年間かけて「公共施設等総合管理計画」の作成を義務付けています。幸手市も昨年度から公共インフラの台帳づくりに取り掛かっていますが、情報として提供される段階には至っていません。
台帳の基礎データが整った時点で市の現状を市民に知らせ、管理計画は市民と一緒に考える機会を是非作っていただきたい。情報公開と市民参加の必要性は香日向小跡地問題の苦い経験から、私も講師と同感です。