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埼玉県議団協議会 第4区研究部会研修会@グリーン・コア

2014.10.29

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参議院議員 上野通子氏をお招きして

 昨日は、埼玉県の保守系議員で構成されている市議団協議会の研修会に参加いたしました。

 南は八潮市から西は行田市まで、約60名の市議会議員が集まり、研修の後、懇親を深めました。昨日の講師、上野通子氏は栃木県選出の参議院議員で、教師歴16年、県議会議員2期を経て、平成22年の選挙で現職に当選されたという経歴の持ち主です。
 3人の娘さんの母親として、また、働く母として、また、家族で渡英するなど、華々しい経歴と共に、教育問題では、現在、文部科学大臣政務官として教育再生に取り組んでおられます。

 そのようなお立場から、現在の日本が置かれている教育環境について、様々な事例を紹介しながら講義をいただきました。その中から、義務教育における学校の役割についてのお話しを私の理解のなかでまとめてお伝えします。

 学校の主役は子どもたち。学校が楽しくなければ子どもたちの居場所とは言えない。しかし、今、50%の子どもたちは「仕方なく」学校に行っている。「学校の後、勉強するのは塾だ」と親も思っている。そのような中で、学校の質が下がっている。先生は”質の高い教育をしなければならない”が、それが欠けている。
 中・高校の教師の目標は何か。いかに多くの子どもを大学に行かせるか。だから、子どもの目標も「大学入学」となっている。文科省は大学改革で、大学に経営感覚を持って「欲しい学生を求めてほしい」と言っている。ところが、大学も入試テストを作るのはそういう専門業者にお任せしている。

 英国では大学はプロフェッショナル。入学テストでは発想力やコミュニケーション力、やる気を見る。日本はこの先を考えないとならない。与えられるものだけでなく、新しい発想や他の視点で子どもたちの能力を引き出すのが教師。子どもの夢と将来をつなぐのが教師の役割。
 教育改革は3つの”わ”で進めていきたい。
1つは、グローカルな”輪”。身近なところから地域を学ぶ。⇒生かすにはどうしたらいいか⇒行動に移す。行動に移す時に地域のチカラが必要になる。大人のチカラで子どもができないことを後押しする。
2つは文化の”和”。伝統文化を守って行こう。日本人のアイディンティティを育てていく。
3つはグローバルの”環”。グローバル=英語教育ではない。日本語をしっかり学びながら、英語をどう位置付けていくか。毎日繰り返すことが大事。今、学校で取り入れられている「読書の時間」のように繰り返すことを進める。

 などなど。虐待児への対応や家庭の教育力、”精神”の貧困問題などにも言及されました。質疑応答では学力テストの成績公表についての考え方や、所得による格差をどうしていくのかなどの質問に丁寧に答えてくださいました。

 今、学校教育、日本の教育システムなど、制度疲労が顕著になり、改革が唱えられていますが、結局、子どもを守るのは親であり、地域なのです。コミュニティースクールという新しい学校運営も試みられていますが、地域の本気が子どもたちを育てることは間違いありません。
 国にどんどん具申してほしいと何度もおっしゃっていましたが、私たち政治家も、PTAも親も地域も、それぞれがもっと本質的な子どもを巡る議論ができる環境づくりこそ、大事であると改めて感じました。

 上野氏はどうも私と同年代のような感じでした。堂々と主張を述べられる姿に、見習うべきものを感じました。研修会に参加できてよかったです。以上、簡単なまとめですが、ご報告いたします。