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豊洲問題の核心

2017.03.22

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片山善博・慶応大教授(元鳥取県知事) 都議会の検証違いを指摘

 昨日の埼玉新聞、豊洲問題に関する記事。東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)の様子を伝えるとともに2名の識者の話が載っていました。

 1名は政治評論家の森田実氏で「オール無責任体制」を指摘
 石原慎太郎氏に関しては、自身を正当化し小池百合子知事に責任を転嫁した。小池知事は今後の方針を曖昧にし、都議選や住民投票で都民に判断させようとしているようにも見えるが、小池知事と、移転問題に関わってきた議会は、自ら泥をかぶって移転の是非を判断すべきだ。百条員会を通じて、都幹部も含めて都政はオール無責任体勢であることがにじみ出たとも言える、と。

 もう1名の片山氏。
 本来は豊洲移転の予算を認める際など手順を踏む段階で、都議会がきちんと検証すべき問題で、今になって百条委員会を開いても遅すぎる。都政を掌握していなかった石原氏を見逃してきた都議会がまず自問し、反省すべきだ。石原氏を刑事被告人扱いするのは間違い。追及に意味があるとすれば、豊洲が使えないという結果になった場合だが、最も責任が重いのは都議会ではないか、と。

 さらに、石原氏は小池知事に対し、「豊洲移転の延期を、議会にも諮らずに発表した。これが議会としてのメンツの問題があり、議会軽視の最たるものだ」と批判の矛先を向けたというのですが、メンツの問題ではなく、このような大きな案件を知事の一言で方向転換するという事自体が無謀だったのでは。
 ネズミ退治と称された都政改革を公約とされていた小池氏ですが、都知事選の勝利で万能感もあったのかなとの感想を持ちます。さらに、巷には次期都議選をにらんでのパフォーマンスとの受け止めもあるようですが、真実はいかに。政治は実現してなんぼかもしれませんが、「自分ファースト」な政治家を見極めるのは選挙民です。
 都民の皆さまには、政治の”パフォーマー”のなかの真実を見極めていただきたい。”寄らば大樹の陰”というサーファーにも要注意。真面目な政治家ほど、パフォーマンスやサーフはうまくないかもしれません。7月の都議選で都民の皆さまの選球眼が試されます。

 さて、幸手市に目を転じれば、前回ブログでお伝えしている「議員の報酬、市長等の給与改定」の例も然りです。
 監査委員の指摘⇒市長の諮問⇒審議会の答申⇒市長の議案上程⇒議会の議決という経緯の中で、それぞれの立場での判断は重要ポイントですが、最終的に議決をするのは議員であり議会です。どこにも責任転嫁はできません。