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家族と同居だけれど・・・

2017.03.29

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家族と同居だけれど孤食・・・ 高齢男性、死亡リスク1.5倍

 今日第3弾の書き込みです。この内容は少し前に何かで知って気になっていたのですが、28日の日経新聞が記事として扱っていました。小さな記事ですが、要約してお知らせいたします。

 家族と同居しているが食事は一人で―。そんな高齢男性は家族と一緒に食事をとっている人に比べ、死亡リスクが5割高くなることが、東京医科歯科大学の調査でわかったということ。研究員は「家族と一緒に住んでいれば食生活は安心とはいえない。対策を検討する必要がある」と話しているというのですが。

 調査では介助を必要としない65歳以上の高齢者7万1781人を約3年間追跡調査をしたそうで、同居はしているが家族と生活時間が合わないなど何らかの理由で1人で食事をしている男性は、誰かと同居して一緒に食事をしている男性より、死亡リスクが1.5倍高かったというのです。高齢女性についてはこうした差はなかったそうです。

 さて、思い当たる節のある方はいらっしゃいますか。前々回のブログで、私が帰省の度に老親や義父母の様子を様々なポイントで確認しているとお話ししましたが、食は私も重要ポイントだと思っています。

 先日の帰省時、一人で自炊している義父がどのような食事をしているのか心配をして尋ねてみると、野菜の煮物を作ったので食べてみるかとご馳走になりました。いやいや、予想以上の美味しさでした。作り方を聞くと、「五色の野菜を使っているんだ」と言いながら、ジャガイモ、玉ねぎ、人参、カボチャ、ピーマンを大きめにカットし、昆布だし、しょうゆベースで、煮崩れする材料は時間差で入れるんだと秘訣と教示。私があんまり「おいしい、おいしい」と言うので随分喜んでくれました。そして、義母がうちにいる時に食事の味付けなどを仕込んでくれたので役に立っていると。ハイ、ゴチソウサマデス(笑)。
 義父はこの煮物を鍋いっぱいに炊いて、ご飯にパン食を交えて、5回くらいに分けて食べていると言っていました。さらに、肉は脂身を避け、タンパク質減として鶏肉のささみを別に煮てあわせて食べているそうです。
 高齢になって自炊するのは特に男性にとってはつらいものがあると思いますが、義父がいろいろ工夫しながら食事をしている姿にひとまずほっとした次第です。

 さて、義父は自炊&孤食ですが、今回の新聞の記事のように、同居していても孤食となる男性のリスクが高いというのはどうしたことか。以前この情報を知った時に、家族がいても孤食というのは、家族の中で大きなストレスをためている可能性があることが示唆されていたように記憶しますが、果たして対策はあるのか。気になるところですが、前述の研究員は「家族や近隣の人と一緒に食事をとることを勧める、自治体が会食を開催するといった対策が、高齢者の健康維持に効果があるかもしれない」と話しているそうです。

 地域で会食の機会を、というのなら、私たちにもできそうですね。ただ、地域活動にはいくつかのカベがあって、特に、個人情報など、地域の方に自分のことを開示したくないという方には、無理なお誘いはできません。しかし、今は措置の時代ではなく、自らの意思で環境を選ばなければならないことは多いです。ある程度気心の知れた地域の方との月に1回でも年に数回でも会食の機会が持てるチャンスがあったら、是非、自らの意思で参加をなさってください。
 前々々回のブログでもお話ししましたが、高齢となって人との交流が途絶えることはできる限り避けましょう。多少の煩わしさがあったとしても、人と会って、言葉を交わす機会は貴重です。簡単なことのようで自分の生活を変えることは勇気のいるもの。
 みんなで声を掛け合って、地域の中からさまざまなリスクが、少しでも減るようにみんなで頑張って行きましょう。
 

 

お酒に弱い中高年女性はご用心?

2017.03.29

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お酒に弱い女性は年を取ると骨が折れやすい by 慶応大研究チーム

 今日も新聞の後読みをしていますが、28日の朝日新聞に上記のような記事が。何となく気になる記事でしたので取り上げてみました。先のブログが長かったので、独り言程度、軽めにお伝えいたします。

 さて、この研究は27日付けの英科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表されたものということですが、女性は閉経後に骨粗しょう症になりやすいが、アルコールの分解にかかわる遺伝子が弱いとさらにもろくなる可能性があるというのです。
 同大医学部の特任教授(整形外科)らは、アルコールを分解するときに働く酵素をつくる遺伝子「ALDH2」に着目。この遺伝子の働きが生まれつき弱い人は悪酔いの原因となるアセトアルデヒトをうまく分解できず、酒に弱くなるというのです。
 中高年の女性で大腿骨骨折をした人と骨折をしていない人の遺伝子を調べて比較すると、骨折をした人の中でこの遺伝子の働きが弱い人が半数以上だったということ。さらに調べると、遺伝子の働きが弱い人の骨折リスクは、ない人の2.3倍高かった。ただし、マウスによる実験では、ビタミンEを補うと機能が回復したということです。
 教授は「お酒に強いか弱いかは生まれつきで変えられない。だが、骨折のリスクをあらかじめ自覚し、ビタミンEの適度な摂取で予防できる可能性がある」と話しているということですが。

 さて、私は幸いにも??お酒はたしなみ程度にいただける体質です。自分が、女性にとって高齢化でとても心配となる骨粗しょう症に「強い」遺伝子を持っていると知って有難いですよ(笑)。
 ただ、お酒をたしなむ方には別の骨折リスクが伴うことも。それは、お酒に酔って転倒することです。さ~て、どっちのリスクが高いか。お酒たしなみ派としては気を付けなければ(笑)
 それにしても、この研究結果は男性にも当てはまるのでしょうか。女性より男性の方が酔っての転倒リスクは高いものと思われます。お互い用心いたしましょう(笑笑)

考察 教育無償化で実現すべきことは

2017.03.29

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人生の選択肢の多様性を担保するしくみとして

 昨日の朝日新聞に、憲法を改正して幼児から大学までの教育を無償化するという案が改憲項目として自民党内で浮上している、との記事がありました。改憲が必要か否かという観点とは別に、教育とは何かについて、このブログで改めて考えてみたいと思います。

 まず、私は憲法や教育の専門家ではありませんので、自分の人生を通して感じた”皮膚感覚”での考察となることをお許しいただき、こんな考え方もあるという一例として読んでいただければと思います。

 朝日新聞によると、改憲による無償化を正面から主張しているのは日本維新の会で、国会でも「憲法に規定し安定した制度として実現を」と訴え、安倍首相も「傾聴に値する」と応じているということです。保護者の所得や地域などで大学進学率の格差が拡大している現実があり、改憲で無償化が実現すれば、経済的理由により進学を断念するケースは減り、多くの国民が歓迎するという計算が背景にあると。

 格差拡大の大きな原因の1つとして、欧州では教育費負担にも福祉国家的発想があるのに対し、東アジアでは学費は親が工面をするという社会的風土が強いことがあり、日本では高等教育費の家計による負担割合が5割以上と、欧州連合の公費負担約2割と比べて大きくなっているとする専門家の分析が紹介されています。

 憲法との関係では、現行憲法の26条が「すべての国民に、能力に応じてひとしく教育を受ける権利」を規定している現状、憲法を改正する必要はないとの意見もあるようです。私も改憲の是非はよく分かりませんが、しかし、憲法を変える前に、現状の”能力に応じてひとしく教育を受ける権利”について国民を巻き込んで深く考察してみる必要があるのではないかと感じます。
 ”能力”とは何か。”能力に応じる”とはどういうことか。”ひとしく”とは。そもそも”教育”とは。”ひとしく教育を受ける権利”とはどういうことか。などなど・・・。

 教育の無償化の目的として、「どんなに貧しい家庭に育っても進学できる日本」という将来像も語られているようです。確かに、幼児教育と義務教育の9年間、そして高等学校の3年間は等しく教育を受ける権利として無償化も必要ではないかと私も感じますが、「進学」が大学進学を指すのであれば、それは奨学金制度でも対応できるのではないかと思うのですが。
 確かに、一流の高等教育を受ける権利が迫害されたり、失われることは絶対にあってはならないことだと思いますし、技術革新の早さについて行くには高等教育での治験・知見の積み重ねが重要と思います。しかし、国が「教育の目的」として考えるべきは個々の「能力に応じる=能力開発」への寄与であり、最終学歴を大学卒とすることではないと思います。
 昨年、選挙年齢が18歳に下げられました。18歳は大人として扱われるようになったばかりです。私は、教育の無償化は高等学校まで。その後は自分の人生設計のなかで進学か就職かを選択をしていく。このような環境が大事ではないかと思います(ただし、いつでも誰にでも高等教育の門戸が開かれていること、社会人の学びの機会が多様に提供されていることは必須)。
 そのためには高等学校までの義務教育で一定の教養を身に着け、大学進学という選択肢以外に、日本の風土が育んできた伝統技術の伝承や日本のものづくりの多様性を支える職人集団の育成も範疇とする「機会の多様性」が高等学校卒業までの間に担保されるような教育システムが構築されるべきではないかと思うのですが。小学生や中学生、そして高校生が学校とは別に塾に通う姿や反対に基礎学力の取得に多くの労力と時間を費やしている現在の教育の在り方は今、変革の時期を迎えているのではないでしょうか。最近の「ニッポン賛美」型のTVに影響されすぎてますかね(笑)。

 しかし、日本のように四季折々の季節をめでることのできる国も世界では多くないでしょう。日本型のホスピタリティや技術が世界で賞賛されているのは事実だと思います。日本の風土を大切にできる日本人の育成が義務教育でしっかり担保され、高等学校では義務教育を基礎として本人の能力や特性にあわせた多様な専門性のある教育の機会が用意される。そして、18歳ではさらに高度な教育を受ける機会としての進学と、多様な就職の機会が用意されている。そんな未来図はいかがでしょう。

 そのために何より大事なのは最終学歴を賃金格差にしない雇用制度の確立です。私は高等学校卒業という学歴をもっと豊かに活用していくべきと考えます。大卒と高卒で初任給も、場合によっては昇給制度も、生涯賃金も違うという、「最終学歴での賃金格差」には本格的にメスを入れるべき時代になっているのでは。大学の予備校的高等学校の存在を包含するとしても、大卒と高卒の給与格差がなくなれば、もっといろいろな選択肢が広がるのではないでしょうか。

 最終学歴を大学卒とすることで、個人の持つ多様性にタガをはめてきたのが今までの教育です。先にも述べましたが、選挙年齢が18歳に下げられたことで18歳は大人として扱われるようになったばかりです。18歳を「大人」として扱うなら、18歳で人生の設計ができるくらいの知識や能力を持たせる教育を目指すべきです。
 
 今回の考察の結論としてこんなまとめと相成りました。
 ①18歳までの教育は無償化し、
 ②大学に進学する場合は奨学金制度で。
 ③最終学歴による賃金格差を解消し、人生の選択肢の多様性を担保。
 

 とにかく、これからは「多様性」です。ひとしい=平等の意味も再検証する。初めに述べましたが、「能力」「能力に応じる」「ひとしい」「ひとしい教育」とは何かを専門家を含め日本国民全体で考えていくことが必要ではないでしょうか。

 以上、私の”皮膚感覚”での発想で稚拙な考察をしてみました。いろいろな考え方があると思います。働き方改革や同一労働同一賃金を求める声も高まっています。さらに、総合学習の導入等、画一的教育からの脱皮が図られてきた教育の経緯もあります。さらに18歳選挙権付与で18歳の責任は変わりました。
 人生のセンパイである皆さまの目には、「教育の無償化」はどのように映っていますか。幼児から高等教育まですべてを無償にするならば、4兆円を超えるという財政シュミレーションだそうです。
 皆さまのお考えを是非、お聞かせいただけたらと思う次第であります。

いつも長文で申し訳ございません。