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さいたま市新年度予算

2018.02.05

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さいたま市の2018年度一般会計予算案 5544億5千万円

 2月3日の新聞にさいたま市の新年度予算の概要が。総額5千億円を超える予算は、3年連続で過去最高を更新。市の将来設計を示す「しあわせ倍増プラン2017」「新成長加速化戦略」などの計画を推進し、大宮駅を中心とした東日本の中核都市づくりを具体化しつつ、将来の少子高齢化に備えて福祉・教育分野にも手厚く配分。積極的な投資が目立つ予算案となっているようです。

 「隣の芝生は青く見える」という言葉もあり、無用にうらやましがるというのではありません。しかし、埼玉県の県庁所在地として、予算5544億円を計上する都市が、東京都に一番近い場所に存在していることの脅威をしっかりと受け止めるべきだと思うのです。
 もちろん、住民も多いので支出も膨大です。それぞれの自治体事情が全く違うので比較することはできませんが、しかし、職員も多く、セクションも多い、その大きな組織を束ね、同じベクトルに向かわせる清水市長の手腕。誰でもができるものではないでしょう。
 もちろん、財政の裏側まで知り得てのことではありませんが、少なくとも、予算配分に見る先見性や投資に向かう姿勢は、小さな自治体であっても持つべきリーダーの本質ですね。

 さて、翻って幸手市の新年度予算はどうなるか。先日、渡辺市長が作成した「平成30年度予算編成方針」を入手しました。予算編成に向けて10月に職員宛てに配布されるものです。新年度予算編成に向けた基本的な考え方の冒頭はこのように記されています。
 「=略ー今後も、財政の健全化を維持しつつ、幸手駅西口開設に向けた自由通路整備及び駅舎橋上化事業を始めとする重点プロジェクト事業を実施することは、将来の本市に欠くことのできないものである。しかしながら、引き続き多額な事業費を必要とするため、平成31年度までは、基金の取り崩しや地方債の発行額の増加など財政運営に多大な負担をかけ、事業実施後も地方債の返還の増加など本旨の財政に大きな影響を与えるものである」と。
 予算書を見るまでは断定できませんが、課題山積の幸手市。駅舎完成を目前にして、財政面で駅舎整備に引き摺られた「足踏み予算」とならなければいいなあというのが正直な感想です。

 さりとて、駅舎整備の財政負担は大きなものがあります。それは市長のいうとおりです。始めた事業は粛々とやって行くしかない。しかし、だからこそ、”住民は最小の経費で最大の効果を”という行政の在り方に照らし、事業が本格実施となる前の一昨年秋、機能重視のコンパクトな駅舎整備=「財政規模に合った駅舎整備」を求め、約3000人が請願を、7000人が陳情を市長に提出したのです。会派先進はその紹介議員を引き受けました。当時、市長はそれを全く顧みず、事業をそのまま続行。

 さて、幸手市の新年度予算はどのような配分となるのか。一般会計の予算規模は約180億円です。もちろん、埼玉県下の町村はもっと小さな財政規模で運営されている自治体も多く、100億円に満たない町も散見されます。財政力指数も幸手市より低いところがほとんどです。
 しかし、規模の大小ではなく、自治体規模は小さくても、いや、小さいからこそ、やらなければならないことを時宜を逸せず選別し、しっかりと計画を立てて住民サービスを組み立てている自治体はあるのです。

 今日は、さいたま市の予算という切り口で書かせていただきましたが、さて、幸手市の予算配分はいかに。私たちが予算書(案)を手にするのは14日です。