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常任委員会行政視察@宮城県

2013.10.07

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常任委員会行政視察のご報告

 しばらく書き込みが滞っていましたが、10月3、4日と幸手市議会の3つの常任委員会の合同視察研修で宮城県角田市と伊達市に行っておりました。

 幸手市議会は3つの常任委員会があり、各議員が2つの常任委員会に所属しているため、3つの常任委員会が合同で年1回の行政視察を行っています。今年は宮城県角田市で「デマンド型乗合タクシー ラビットくん」について、伊達市では「行政評価システム」について視察をして来ました。報告パート1として、まずは角田市の視察状況をお知らせします。

 宮城県角田市は、仙台市の南40キロ、阿武隈山地の北端に位置し、面積が約147?(幸手市の約5倍)のうち7割が農用地と森林を占め、宅地(道路を含む)は13%程度というまちです。
 昭和50年ごろより人口減少と核家族化が進み(現在の人口は31000人)、高齢化率は平成17年にはすでに24.5%でありました。平成18年の統計によれば、64歳までのほぼ9割は自動車運転免許証を保有するが、65歳以上の特に女性はほとんど免許を持たない状況であり、不採算を理由に民間バスが路線を廃止するなか、病院通いなどが不便になるなど、市として交通弱者への支援が不可避となっていました。
 しかし、民間不採算バス路線を引き継いだ市バスの運営は財政を圧迫。運行路線や便数の減少で更に利用者離れをもたらす悪循環が進行する状態となってしまったというのです。

 そこで、平成18年から検討が始まったのが「デマンド交通システム」の導入でした。検討の結果、まちを4つのエリアとまちなかという5つに区分し、登録制、乗車予約制で4台の大型タクシーと1台の小型タクシーを運行するシステムを考案。

 平成19年から導入されたこのシステムで、市の財政負担は軽減、市民へのサービス向上にも一定の成果はあったものの、すでに現在さまざまな課題も浮上しているとのこと。一例として、発足時に運営主体であった商工会が運営を降り、再度、市の事業となったこと。そして、女性にも免許保有者が増え、サービス需要が減少している点などがあげられます。

 視察を終えて。幸手市も「交通弱者対策」(=免許返納者と免許非取得者への対応)は、今後考えていかなければならない喫緊の課題です。だからこそ、今回の視察の対象に決まったわけですが、幸手市は角田市の約5分の1の面積であり、都心に近く、鉄道の利便性も高く、人口集積、生活環境も全域でほぼ均衡が保たれている。そんな市の特性を考慮し、現在の市の循環バスの見直し・効率性向上も含め、幸手市に相応しいシステムを再構築できればと考えます。

 現在の需要に応えながら5年後、10年後の市民生活の変化を折り込んだ新しいシステムをどう構築していくか。それには、市民の皆さんの声を聞き、現状調査と将来予想を的確に判断し、そして、財政負担と行政サービスの在り方をしっかりと議論していくことが何より肝要だと考えます。